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太鼓・鳴物・神輿・仏壇 こだわりの品揃えが楽しめる「岡田屋布施」

国際通りに一風変わった店構えの商店がある。
店頭には太鼓が並び、「ご自由に叩きください」と記されている。中に入れば、皷(つづみ)や鳴物(なりもの)、神輿、仏壇なども取り扱っていて、見ているだけで楽しい。浅草ならではの息吹きを感じられる、「岡田屋布施」はそのような店なのだ





こちらは、江戸・天保6(1835)年の創業。太鼓や鳴物を取り扱う「道具屋」として商いを起し、浅草では長い歴史をもつ。昔から国際通り沿い、田原町で商売を続けてきた。

「岡田屋布施」の太鼓は、職人が皮、原木を見極める部分からこだわり、製造から手がけているのが特長。
お得意さんは全国の神社仏閣、歌舞伎・日本舞踊の邦楽家などで、中には流派として代々続くお客もいるという。「老舗として、“音色”“響き”を大事にした商いを心がけています」と7代目の布施義浩さん。

また、こちらの太鼓は、売り場に多く並べてある現物をそのまま買えるのが喜ばれている。「同じ材でも微妙に太鼓の音色が違うので、試し打ちしたものをそのまま納得して買ってもらうことに意味があるんです」とのこと。音に対する繊細な心遣いが活きている。





「岡田屋布施」では、神輿の製造・販売やレンタル・修理も手がけている。春先から夏にかけての祭シーズンには関東一円からレンタルの声が舞い込むというから面白い。

実は、「岡田屋布施」がある田原町会の神輿は、この店製のもの。浅草三社祭の時、この町会では、この店でつくった神輿が町内を練り歩くのだ。さらに、祭で神輿の運営の指揮を執るのは、7代目ご自身。彼が現在の、町内の青年部部長だからだ。
自分の町の神輿を自社でつくって町へ貢献し、さらに青年部部長としても町の中で生きていく。このような在り方に、粋を感じる。

「うちの神輿は、名実共に家族みたいなもの。愛着はとてもあります」と話していて、浅草・国際通りならではの「岡田屋布施」の思いを感じた。



<店舗データ>
岡田屋布施(おかだやふせ)
東京都台東区雷門1-16-5
TEL/03-3841-1867
水曜休
AM9:00~PM6:00
ホームページ www.taikoya.co.jp/index.html